ウェイマス weymouth
とりあえず、このときはロンドンオリンピックにボランティアとして参加することにしておりました。しかし、ロンドンのボランティアに申し込みをしましたが落選。もうどうしようかと半分絶望しかけておりました。
ウェイマスという場所でボート競技に向けた観光客案内のボランティアを募集していることを発見。応募をしてみたところ採用されました。さらに幸運なことにウェイマスのオリンピック運営している組織から、パラリンピックのボランティアもしてみないかと持ちかけられ、即了解。ウェイマスは地方の運営組織でしたが、パラリンピックのほうは本部所属のボランティアなので多少格が上がる感じ。ああ、運良く行くこともあるんだなと思ったな。

ウェイマス
マリンスポーツの街、ウェイマス

ウェイマスは、イングランド南部にある海辺のリゾート地。とはいっても少々地味。ブライトンやボーマスなんてところに比べると観光地としての知名度は低い。旅行ガイドブックで取り上げられることもほとんどない。
でもなかなかいいところかも、と言う第一印象。とにかく、ボートやヨットが多くて
小シャレたマリンスポーツの街といった雰囲気があるのがいい。

リサーチしたくて開催10日前から現地入りしたのですが、ちょっと早すぎたかなと言う印象。ビーチではまだ大型スクリーンを設置している途中。街全体的にオリンピックはまだ先の話のような雰囲気。英国人の事前準備なんてものはこんなもんでしょ。ほんとに開催までに間に合うのかなあ、と心配になってくる。
観光するにも町歩きするにも、意外にすぐ終わってしまう。これでこのまま数ヶ月滞在するのが不安になってくる。


ジュラシックスカイタワー
とりあえず、ハーバーの先に新しく建設された
スカイタワーとやらに乗ってみる。円盤形の物が上まで登ります。なかなか眺めが良くていいですよ。こういった高所恐怖症泣かせの施設はどこへ行っても人気ですな。ほぼガラス張りで足下まで見下ろせます。

いざオリンピックが始まってみると、なかなか大変。一番の仕事は町中で
観光客や観戦者にガイドマップを手渡すことだったりするんだけど、いろいろ質問に答えたり、案内をしなきゃならなくて、よくわからなかったりします。ガイド役がこれでいいのだろうかと自信喪失。おまけに少々人種差別的な態度をする人もいたりして悲しい。基本的には2人で行動するので、まあいいのかな、結局多くの部分をもう一人の人に頼ってしまったりする。
なんだか何しに来たかなあという気持ちも持ってしまうわけであった。

そもそもボート競技なんて、正直言って興味なかったし、客の方がボート観戦に詳しいのではないか。ガイド役として毎日6時間程度突っ立ているのもなかなか辛い。一番の憩いは毎日支給されるランチ。基本的にサンドイッチ・クリスプ・果物・飲み物といったところ。なんかボランティアにかかる費用も大変なものだなと思うのであった。

しかしそれにしても意外と天気がいい。英国だからといってバカにできない。こりゃ日焼け止め対策しないと駄目かなと、日焼け止めを生まれて初めて買ってみました。1日6時間程度と言ってもなかなかただ突っ立ているのもツラい物があります。

 


ビーチでは巨大ビジョンで観戦
パラリンピック中は何かと間近で競技を観戦する機会が与えられました。ボート競技は沖合いで行われていますから一般の人が観戦している場所は、巨大モニターにて観戦という感じです。一応チケット販売している競技があんな観戦方法でいいのかなと思ったりするが、ボート競技という物はこういうものらしい。

国別の対戦では
日本チームも参加しておりました。8チームが参加して、残念ながら第8位でありました。残念だけど、ま、こういうものなのかなあと思う。
一緒にボランティアしていた人に言わせると、パラリンピックに参加できるのが8チームなので、その中にいるだけですごいことなんだよ、と言っていた。そうだよね、アジアで言えば中国や韓国なんかは参加すらできていないわけだし、参加しているだけでたいしたもんだよなあ・・・と思い直すのであった。


パラリンピックのボート競技中
競技は2日に分けて行って、1日目の終了時ににはプレスむけの短いコメントを選手にしていました。
日本チームのコメントの通訳を自分がしました。いいのかなあ、自分が通訳で。
コメントとしては、結果は残念だけど頑張ったこと、日本食が食べたいけど、代わりに中華を食べたということ、最後に東日本大震災で世界の人に助けてもらって感謝していること、などを話してくれました。こちらもたどたどしく訳してなんとか取材の人に理解してもらった模様。
いやー、緊張したけど、なかなかいい経験になりました。
2日目には別の作業で
インタビューには立ち会えなかったんだが、あとから同僚の人に ”日本チームがお前のことを探していたぞ”と言われました。ああ、どうしても行けば良かったなあと思ったけど、しかたない。リーダー役の人の指示に従っただけで、自分で決めることでもなさそうだったしな。

まあ、いろいろあったけどボランティアの印象は、半分は退屈で突っ立てるだけの印象、残り半分はなかなか緊張感高く競技の一端に関われたような印象かな。正直言って、大変な思いをした印象の方が強くて、やや
疲労困憊いたしましたわ。自分のコミュニケーション能力にも自信を失ったしな。たまたまボート競技観戦・応援で訪れた日本人の数人と話をする機会があったのですが、頑張ってください、と言ってくれたことが救いになりました。