ウェールズで偏見はあるのか?2005/10/22
ロンドンはいろいろな人種であふれていますが、ちょっと外へ出てみるととたんに保守的なところもある英国。ウェールズでそのような外国人に対する偏見はあるのか?と、行く前には少し考えていました。

なにしろ、イングランド人に対しても偏見がありそうなウェールズ人でございます。イングランドの金持ちが、こぞってウェールズに別荘を買いあさってるのが原因だったりするそうです。

実際にはあんまり目にすることも体験することもなかったです。 一緒にいたのがイングランド人の友人だったのですが、2人とも特別変な対応をされた場面には遭遇しませんでした。やっぱり主に観光地でしたからね、外国人慣れはしているんだと思います。
ただ、テロ事件1ヶ月後ということで、少々アジア人に対する警戒心はあるのではないかと感じる時はありました。これはウェールズの人、というわけではなく、ウェールズに来てた人なんですけど。


世界一長い名前の休憩所

スランデゥドノのホテルに、日本人と思われる家族が宿泊していました。朝食ルームで、英国人中年夫婦が、遠くのテーブルに座っているその日本人家族を見ての会話。

女性 : アジア人だわ。
男性 : あれは日本人だよ。彼らは安全

自分 : ・・・・・・・・・・・・・・
(その夫婦のすぐ隣のテーブルに座っていた。)

まあ、安全だと思われてるんなら悪くはないんですが、警戒心はあるようですね。日本人じゃなかったらどうなんだろ?・・・・・・と、ちょっと聞いてみたい気もします。 日本人にとっては中央アジアや中近東の人たちはまったく違う人種なんでしょうけど、英国人にとっては同じようなもんであることも認識されるのであった。

そういえば、スランベリスのパブで食事をしていたとき、地元の家族が入ってきて最初はすぐ隣のテーブルに座ったんですけど、小さな少女がこちらを見て「別の場所に行きたい」・・・・と言って席を移動していきました。・・・・・・・・・ちょっぴり悲しいけど、それまたしょうがないのかなと思います。多分自分だって、日本であんまり混んでない所に入ったときに、黒人やらアラブ系の人が 座っていたら、無意識にそばに座るのは避けるような気もします。決して人種差別的な発想でもないですよね。ただ、気持ちが落ち着かない気がするんですよ、きっと。

最近発覚した話ですが (実際その時はよく聞きとれてなかった。) 山岳列車の中で老人が、しきりに世界大戦中に日本兵に虐待された友人のことを、こちらに聞こえるように話していたらしいです。
その時、車内の雰囲気が凍りついていたのは覚えています。女性が振り返ってこちらを気にしていたし。別の若い男性は、たぶん「気にするなよ」的なことを言ってくれたと思う。友人は恥ずかしかったらしいけど(その老人のことが・・・)、知らないで聞いてた自分も恥ずかしいものですな。まあ、英語力がないのも時には良いことであります。聞かなくていいことが聞こえないんですから、気にもなりませんでした。

あとは、そうだなあ・・・・ウェールズではないですけど、ヒースロー空港からバスに乗ったときに自分は重たいスーツケースを持って乗り込んだんですけど、一瞬、乗客の1人がギョッとするような表情をしてました。
ま、あのテロの時期のバスですからね。有色人種がバッグを持ち込むと焦るのかもね。

実際、人間不信にはなるかもしれません、テロのあとって。

こういった話を英会話学校の講師にしたら、お前はよくそれでウェールズのことが好きになれるな・・・と驚かれました。驚かれたことに対して、驚いた自分なのでありました。少しは気にしたほうが良いのでしょうかね。

でも、まあ、日本人は安全、という認識があるらしいということがわかっただけでも良しとしますかね。